このたび、PlanetDAO004「旧寳光寺(ほうこうじ)」の取り組みが、2026年5月19日放送のフジテレビ「Live News イット!」で紹介されました。和歌山県那智勝浦町・世界遺産「熊野古道」近くに位置する築200年以上の無住職寺院を、地域住民と世界中の「日本ファン」が共同オーナーとなって守り、宿坊として再生していく取り組みです。番組のアーカイブはFNNプライムオンラインでご覧いただけます。
「禅体験を求める海外からの訪日客が、熊野古道沿いの無住職寺院の再生を通じて伝統文化を支える」
https://www.fnn.jp/articles/-/1046760
※FNNプライムオンラインのコンテンツは日本語のみのご提供となります。
画像:住職がいない寺を再生へ ”日本ファン”外国人が支える「お寺」
全国に約2万の「無住職寺院」── 4分の1が住職不在という現実
番組では、全国に約7万6千ある寺院のうち、およそ2万──全体の4分の1が「無住職寺院」と推計されていることが紹介されました。住職の高齢化、後継者不足、地域の過疎化が背景にあり、熊野古道周辺でも複数の寺院が存続の難しさに直面しています。
画像:7.6万の寺が全国にあるが、2万ヵ寺で住職がいないと推計される。
「地域だけでは守りきれない」── 地元住民の声
番組で取り上げられた旧寳光寺は、那智勝浦町にある築200年以上の寺院です。一見すると整って見えますが、障子や壁などに傷みが目立ち、修繕に必要な費用は約2,200万円と試算されています。寺を管理しているのは、車で5分ほどの場所にある大泰寺の西山住職。最澄が開いたと伝わる古刹の住職を務めながら、周辺の無住職寺院を5つ管理しています。
「この地区の人口も減っているし、高齢化もしている。守っていく気持ちはあっても、今の状態ではとても守りきれません」
「ご先祖様が守ってきたお寺なので、なんとかして後世に残していきたい」
「日本人じゃなくても、外国人の方でも、こういうところを守っていただけるというのは嬉しいことです」
寺を守りたいという気持ちと、地域だけでは支えきれないという現実。地域住民の言葉からは、その両方が伝わってきます。
画像:地域住民は、地区の人口が減り、お寺を守っていくのが大変だと言う。
「お寺に泊まりたい」── 海外からの根強い需要
一方、西山住職が運営する大泰寺の宿坊は、外国人観光客を中心に人気を集めています。宿泊者のおよそ8割が海外からの旅行者で、予約が埋まることも多いといいます。
宿泊した外国人観光客は「素敵な宿を探していて、お寺に泊まれることを知ったんです。床に敷いた布団で寝るのは慣れていないけれど、日本らしくて試すのが楽しみです」と話していました。
西山住職は「禅を体験したい、お寺に泊まりたいと思っても、予約が取れない方がいる。一方で、住職がいない寺は維持が難しくなっている。この二つをつなげられないかと考えていました」と話します。
画像:寺の宿坊体験が人気で、宿泊者の約8割が外国人
解決の鍵となる「株式会社型DAO」という仕組み
旧寳光寺の再生に導入されたのは、ガイアックス発のプロジェクト「PlanetDAO」が運営する株式会社型DAOという仕組みです。再生したい寺ごとに、その寺を保有する株式会社を設立し、国内外から株式という形で小口出資を募ります。住職・地域住民・出資者が共同オーナーとして寺の保全と活用に関わり、宿坊として運営した収益が出資者にも還元されます。寄付でも単なる投資でもなく、保全活動に共同で関わる新しい形です。
西山住職は次のように話しています。
「いろんな人が共同所有者になっているので、いろんなアイデアが入ってきます。地元の人も普通のものだと思っていたものが、他の人から『すごいですね』と言われると、自分たちが守ってきたものに価値を感じるようになる」
画像:PlanetDAOの仕組み。物件所有会社が寺を保有し、地元住民と出資者が共同オーナーとなる。
出資者の約75%は海外から── 「日本の文化や地方を知ってほしい」
旧寳光寺のオーナーのうち、約75%は海外からの出資者です。イギリス在住のバロスさんは、出資の理由について次のように話します。
「伝統的な建物や日本の文化にとても興味があって、こういうプロジェクトでそれが保存できるのは、大事なことだと思いました。世界からいろんな人が来るので、都会だけでなく、田舎の場所も見てほしい」
ドイツ出身で日本在住のボルさんは、別の建物再生プロジェクトへの出資をきっかけに旧寳光寺を訪ねていました。寺の中を見学した後、西山住職や地域住民と一緒に草刈りや床拭きを行い、「お寺の床を拭くのは初めてです。なかなかない経験ですね」と話していました。掃除を終えた後、ボルさんは庭の景色を眺めて「いい景色」と一言。出資という形だけでなく、現地を訪れて寺の手入れに加わる海外出資者の姿は、寺と支援者の関係のあり方を示しています。
画像:PlanetDAOの出資者が来て、お寺の掃除に参加。お寺の床を拭くのは初めてとのこと。
52人の出資で目標達成、2026年11月に宿坊として再生予定
旧寳光寺のプロジェクトには、52人の出資者から2,690万円が集まり、目標額を達成しました。2026年11月をめどに、宿坊として再生される予定です。
スタジオコメント
番組のスタジオでは、コメンテーターから次のような声が寄せられました。
「日本の伝統的なお寺がこうした状況にあることを、我々もよく知らなかった。こうしたニュースをきっかけに、日本人自身がもっと動いていく機運になればいい」
地域住民の「守りたいが地域だけでは難しい」という声と、海外出資者の「日本の文化を守る一員になりたい」という声。その両方を一つの仕組みでつなげる試みが、那智勝浦町で進んでいます。